読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

一つの世界

これもまた一つの世界

そこはかとなくかきつくれば

「そこはかとなくかきつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」

 ――本当に適当に思っていることなのか思っていないことなのかもわからず、ただ書き綴ってみるというのは、それは会話に近い挑戦なんじゃないかということを今瞬間的に思ったけど、やはり書くには時間がかかるから、その分考える時間が生まれて会話よりもずっと楽だし、これを会話という最高難度のあれと較べるのはおこがましい。ただなんとなく、それこそ「硯に向かひて心に映り行くよしなし事を」書いてみたら何ができるかというのが気になった。だから適当極まりなく言葉を羅列していく。僕は文字のみブラインドタッチがまともにできるので、これを書くぐらいは普通にできる。僕がPCを使うようになったのは大学生になってからだけど、今となってはPCが手放せないものとなっている…主に麻雀をするためにだけど。仕事の性質上ちょっとはPCについてわかるようになったけど、僕がやっているのはSSDを取り外して内容をコピーしたり、BIOSをマニュアル通りにいじったりしているだけだから、そこまでわかっているわけではない。だから未だにあのファンがダメになって使えなくなったPCを分解して直そうという気が起きない。

 ふと「価値」というものに思いがぶーんとワープする。ワープに正しい擬音とは何か。そんなことは良いとして、僕には価値がない。いや、価値がある面はあるかもしれないけど、それはリアルにおいて優先されうるべきものではなく、後ろの方に隠れていると言った方が良いか。おそらく僕の価値のあるようなところは、前面には出ない…と、そう思っていてほしい。すなわち、これは僕が単に価値がないという事実から目を背けるための冗談のようなものだ。そんなことを暴露してしまっては何の意味もないとは思うけど、そう考えて初めて僕には価値があるかもしれないと言える。そもそもすべては「君の心の価値は薄い」の一言に尽きると思うのだ。まさにその通りで、それ以上でも以下でもなく、僕には価値がないということが突きつけられる。そしてきっとそれでいい。それを正しくきちんと認めて、ただ今の僕の状況が僕のすべてであると受け入れて、後は適当に灰色の日常を延々と続けてやがて来る死を待つのみだ。

 大学生になってから眼鏡をかけるようになったけど、眼鏡は周りが見えなくならないようにしているだけではなくて、本当の世界から遠ざけるものなのかもしれない。僕にとっての世界はきっと歪んでぼやけている。あの優しくて楽しかった日には、もう二度と戻れないのだ。