一つの世界

これもまた一つの世界

ただはるのよのゆめのごとし

 適当にDドライブになんでも突っ込むのをやめなさい。頭の中を整理するにはまずそのパソコンを整理することが必要だよ。容量がいっぱいになるまで整理しないのはやめなさい。破裂してから困るのはあなたでしょ。…本当にいつもの僕自身だから笑ってしまう。ただ一つ違うのは、危うくなるとその雰囲気だけは察知してなんとかするところだ。いつも後でなんとかなるからと言って何もせず、未来の自分を困らせる僕だけど、これはこれで精一杯やってるのかもしれない。そんなポジティヴを発揮していく。これだから僕は何をやってもやりきれないし、逆に言えば堕ちようとしても堕ちきらない。いつものことだ。ただただつまらない。散らばったものを拾い集めるのが昔は得意だったんだけど、大学生になってつらみからか激しく健忘が加速し、今では散らばらせたまま踏んづけるようになったゴミたち。ゴミ溜め。ゴミ。駄目。

 ナイアガラの滝を見れば自然の美しさに捕らわれ、僕ら人間世界を見ればその汚さに閉じ込められているけど、こんなのは全部神様の暇つぶしだから何も考えない。意識を捨て去ればあるいは…。しかしそれは考えるまでもなく無価値で、僕らが向かう奈落の底はきっと花の橋を作って渡っていくような工程を経るべきだ。「夢は君の中で永久に生き続けることさ」と、かの人は歌っていたけど、僕も歌の中に答えを放り投げたい。でも考えたくない。きっと僕は特別が欲しくて特別になりたくて歩んできた。それは無意味で無価値でなんにもないと知るためだけに必要なものだった。そうやって結果を見て目的を修正してこれからも生きていくのか。そうかそうか。多分僕の平静も平穏もそこにしかない。もう僕は夢を諦めている。黙って盲目的に、首を振らずにバック走し続ける。そして終焉をつかみ取る。

 …ああ、心配しなくても大丈夫、僕はきっと何をやってもやりきれない人間だからね。